16日,水戸駅前でおこなった大内くみ子さんの応援演説要旨です。
一昨日14日,水戸市長に立候補する大内くみ子氏と高橋靖氏(現職)の2人が,水戸青年会議所主催の公開討論会で,意見をぶつけた争点は2つ,東海第二原発の再稼働問題と水戸市民会館問題だった。
第一争点の東海第二原発の再稼働は,「究極の安全問題」である *。事故が起これば,故郷を追われ,生活も仕事も学校もすべて失うから,原発再稼働問題は究極の安全問題なのである。今回の選挙で選ばれる市長が,再稼働を承認するか否かを判断する。次回選挙へと伸ばすことのできない最大の争点なのである。
したがって,候補2人がどちらの立場に立つ候補なのかは,投票の際の重大な選択指標になる。
大内くみ子氏の主張は次のとおりである。
老朽原発の再稼働は危険であり,実効性ある避難計画など不可能である。したがって,東海第二原発は廃炉を求める。明快である。
対する高橋氏は,次のように述べた。
「今,再稼働の是非を申し上げる立場にはない。安全対策工事の完了,実効性ある避難計画の策定,市民理解が得られなければ,再稼働はあり得ない」
本当に驚いたが,これは,4年前の選挙の言葉とまったく同じなのである。
高橋氏は,かれこれ8年ほど避難計画策定に取り組んでいるが,まだ目処は立っていない。加えて,高橋氏は,原発再稼働問題について,この4年間,何も考えを前に進めることもできていないのである。
政府はいま,老朽原発を60年以上運転させようとしており,事態は急変している。市民の不安が高まっているにもかかわらず,市長として事態への対応を示せない高橋氏に,まださらに4年間,市長を任せていいのだろうか。
第二争点の水戸市民会館問題は,市民の税金の使い方はこれで正しいのかという問題である。市長が,事業費支出差し止めと損害賠償をもとめている住民訴訟の被告となっている。高橋市長は,水戸市民会館は「中心市街地の活性化」を目的に整備したと主張するが,思い返せば,彼が市政を担った12年の間に,賑やかだった中心市街地が見事にさびれた。まずは,このひどい衰退を起こした高橋市長の市政こそが問われなければならない。
自身の失政によってさびれさせたその中心市街地をこの施設一つで活性化する? 各地の地方都市版アベノミクス「選択と集中」の失敗例はすでにいくつも報告されており,この失敗で,水戸の中心市街地の衰退は決定的なものになるだろう **。失敗の上に失敗を重ね,水戸沈没政策をさらに推進する市長をふたたび選ぶ理由はない。
* 高木仁三郎 :『市民科学者として生きる』,岩波書店,1999
** 水戸市の中心市街地活性化について,須和間の夕日,2023年3月4日
(乾 康代)
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